テスラパワーウォール『Powerwall』家庭用蓄電池を徹底的に調べてみた!
パワーウォールは、電気自動車で一躍有名になったアメリカのテスラ社が提供している家庭用蓄電池の商品名です。
掲載元:テスラ社
欧米では2015年から販売されていましたが、日本では2020年4月からの販売となっています。
時価総額でトヨタを抜いたベンチャー企業の家庭用蓄電池とはどのようなものなのか、徹底解剖して紹介していきましょう。
目次
家庭用蓄電池の活用方法
近年、省エネや省資源の意識から電力の有効活用が話題になり、家庭用蓄電池が注目されています。
例えば、太陽光発電の余剰電力は今まで売電が主流でしたが、売電価格が低下してきた現在では、家庭用蓄電池に充電して夜間に使用するスタイルに変わってきています。
あるいは、深夜の電気料金が安い時に蓄電しておき、日中に使うといった方法もあります。
このように経済効果を目的とした使い方を中心にして、いざと言う停電時にも変わらぬ日常を送れる家庭用蓄電池が注目をあびているのです。
テスラパワーウォールの特徴
電気自動車メーカーが作ったパワーウォールの特徴はどのようなものでしょうか。チェックしてみましょう。
13.5kWhの大容量と驚異的な低価格・費用
国内メーカーも大容量の家庭用蓄電池を販売していますが、13.5kWhはトップクラスの大容量です。
これは、標準的な4人家族が丸一日普通に暮らせる容量で、節約すれば、2〜3日はもつでしょう。また、200ボルト機器にも対応可能な仕様となっています。
何よりも驚くのは、大容量にも関わらず本体とサポート機器を合わせて¥1,089,000(税込み)という低価格です。
テスラの場合、申請、接続、基礎などを含めた設置費用は60万円ほどで、総費用でも170万円ほどです。国内メーカーの同程度の容量と比べると、1/2〜1/3の価格ではないでしょうか。
なお、現段階では国内電気製品のJET認証を取得していませんから、自治体による補助金は受けられませんが、十分にメリットのある価格でしょう。
太陽光発電の有無に関係なく設置できる
太陽光発電システムには、太陽光パネルが発電した直流を交流に変換するインバータ(パワーコンディショナーとも言う)が組み込まれています。
パワーウォールにも直流を交流に、そして交流を直流に変換するインバータが内蔵されていますが、太陽光発電システムのインバータとは本来別のものです。
メーカーによっては、太陽光発電システム用と家庭用蓄電池用のインバータを一体にしたものもありますが、テスラ社ではインバータを本体に内蔵して太陽光発電システムの有無に関係なく利用できる仕様としています。
コンパクトサイズでスマートなデザイン
パワーウォールのサイズは、1150 mm x 753 mm x 147 mm、総重量は114kgと非常にコンパクトなもので、スマートなデザインは秀逸です。
なお、本体とは別に電気の流れや電力配給をコントロールするバックアップゲートウェイを屋内外のいずれかに設置する必要があります。(本体価格に含まれている)
ゲートウェイの大きさは、380mm×584mm×127mmですから大型の分電盤ほどですね。
保証と寿命
製品保証は10年で、国産メーカーと同じです。では耐久サイクル(寿命のことで充放電の回数を言う)はどうでしょうか。
仮に、一日に13.5kWhを使い切る(1サイクル)とすると、10年では3650サイクルとなります。
国産の家庭用蓄電池の想定耐用サイクルは6000サイクル以上と言われていますので、少し気になるところですが、容量や使い方にもよりますから一概には比較できません。
豊富な運転モード
パワーウォールには、運転モードをコントロールする専用のモバイルアプリ(無料)があり、アップデートも自動でしてくれます。
アプリからは、蓄電や消費電力を知るだけでなく、自家消費の優先や深夜の安い電気を利用した節約など、各種のコントロールができるようになっています。
電気自動車とのマッチング(V2H)は?
パワーウォールから電気自動車への充電は可能ですが、電気自動車からパワーウォールを介して住宅に電気を供給するシステム(V2H)には対応していません。
電気自動車で有名なテスラ社なのに?と思われるかもしれませんが、同社の設計スタンスのようです。
以上、テスラ社のパワーウォールを紹介しましたがいかがでしょうか。まだ日本での販売実績は一年ほどですが、実際の設置事例のユーザー評価は高く、国内メーカーにとっては強敵といえるでしょう。
家庭用蓄電池を検討されている方は、ぜひ選択肢の一つに入れることをおすすめします。
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